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06月14日-04号

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  1. 高山市議会 2022-06-14
    06月14日-04号


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    最終取得日: 2022-12-26
    令和4年第5回定例会令和4年第5回高山市議会定例会会議録(第4号)=======================◯議事日程 令和4年6月14日(火曜日)午前9時30分開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問  ================◯本日の会議に付した事件 1 日程第1 会議録署名議員の指名 1 日程第2 一般質問      1番 石原 正裕君      2番 笠原  等君     20番 橋本 正彦君  ================◯出席議員(22名)   1番       石原正裕君   2番       笠原 等君   3番       西本泰輝君   4番       松林 彰君   5番       中谷省悟君   6番       伊東寿充君   7番       谷村昭次君   8番       西田 稔君   9番       沼津光夫君  10番       榎 隆司君  11番       山腰恵一君  12番       渡辺甚一君  13番       岩垣和彦君  14番       中筬博之君  15番       倉田博之君  16番       松山篤夫君  17番       上嶋希代子君  18番       車戸明良君  19番       水門義昭君  20番       橋本正彦君  21番       中田清介君  22番       小井戸真人君  ================◯欠席議員(なし)  ================◯欠員(2名)  23番  24番  ================◯説明のため出席した者の職氏名  市長        國島芳明君  副市長       西倉良介君  企画部長      上田和史君  総務部長      荒城民男君  財務部長      平野善浩君  市民保健部長    橋本 宏君  農政部長      林 篤志君  商工労働部長    倉畑政之君  都市政策部長    北村幸治君  教育長       中野谷康司君  教育委員会事務局長 田中 裕君  ================◯事務局出席職員氏名  事務局長      川田秀文君  次長        二村伸一君  自動車運転職員   櫻本明宏君  ――――――――◯――――――――     午前9時30分開議 ○議長(水門義昭君) これより本日の会議を開きます。  ================ △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(水門義昭君) 日程第1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において、松林彰議員車戸明良議員を指名します。  ================ △日程第2 一般質問 ○議長(水門義昭君) 日程第2 一般質問を行います。 それでは、石原議員。   〔1番石原正裕君登壇〕 ◆1番(石原正裕君) おはようございます。 それでは通告に基づきまして、大きくは2点、一般質問のほう、始めさせていただきたいと思います。 現在私たちを取り巻く状況は、新型コロナウイルスの蔓延、ロシアのウクライナ侵攻など、不安定な社会情勢の中、円安と資源価格の高騰に伴う輸入物価の上昇、国内事情を見渡せば、景気後退の中で給料は低いのに物価の上昇といった、いわゆるスタグフレーションの状況下、今後においても極めて厳しい経済状況に陥るのではと、個人的に大変懸念をしているところであります。 日本の歴史から見ても、日本として変わることなく、日本の原理となり支えてきたのが農であります。農は国の大本なりと、この名言は多くの武将が唱えるところであります。自国で農林水産業が持続できることは国家安全保障の要であります。しかし、令和を迎え、国内食糧自給率は約38%と示され、その多くを輸入に頼る現状を直視する中で、日本の今を生きる自分たちがそれに気づく必要性を感じております。国を治めてきた武将が、なぜこれを唱えたのか。食を外国に握られるということは、国民の命を握られる、そう感じさせる世の中を自分たちは今歩んでいるのだと、個人的に感じております。農は国の大本なり、その農のもととなる部分に焦点を当てながら、中山間地域における自給飼料に立脚した資源循環型耕畜連携の可能性についてを1つ目の題目として、何点か角度を変えて伺いたいと思います。 1つ目の質問でありますが、社会情勢を背景に、輸入される肥料原料飼料価格の高騰による市内での耕種農業や畜産業への中長期的な影響をどのように捉えるかでありますが、昨日の松山議員西本議員質問内容と類似しておりますので、自身の説明は省略いたしまして、中長期的な影響について、その見解を伺いたいと思います。   〔1番石原正裕君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) おはようございます。 まずは耕種部門において、肥料の原料価格の高騰により、少なくとも令和5年作に向けた肥料購入価格は上昇し、次期作に向けた農業経営への影響は大きくなると懸念をしております。これらの高騰がいつまで続くかは不透明な状況でありますが、中長期的に長引けばさらに事態は深刻になると考えられることから、耕畜連携といった地域内循環などの取組を進める必要があると捉えております。 畜産部門においては、家畜用飼料について、市では従来から飼料の自給率の向上についての指導や機械導入の支援をしてきたところですが、昨今の情勢から、さらに飼料自給率を高める取組が大切であるというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 次の質問に参りたいと思います。 自分の地元朝日町では、市内における耕畜連携先進地域であると捉え、地元で農地を所有し、暮らす一市民としては大変ありがたく思っているところでございます。兼業農家として歩んできた我が家でございましたが、農業を営むには機械も人も年を取り、自分に至っては農業継承も十分なされないまま10年余りが過ぎております。農業機械もなく、ノウハウもない自分は水田の草を刈り、保全管理をするのみ。いわゆる耕作放棄地でありました。 朝日町内では、水田にて粗飼料となるWCSや飼料稲を生産しており、農地を荒らすことなく活用され、景観保全にも努めておられます。ただ、不安材料として、この仕組みが持続されていくかであります。持続可能な側面として、農業と畜産業、そしてコントラクター組織、いわゆる農家等から農作業を請け負う組織でありますが、その関わりが重要視されるのではと感じております。 今後、人口減少少子高齢化によって、以前なら集落皆が稲作農家として従事をし、機械の共同利用なども行い、農地を守ってきましたが、就業者の高齢化、農家の戸数が減った今では、我が家と同様、成り立たない状況も予測されます。畜産農家を営む方からも、規模を拡大しながら頭数を増やしたい、そういった気持ちはあるが、雇用管理に手が取られ、特に区画の狭いような農地では飼料等を収穫するには難しい面があるというようなことも伺ったところです。 地域の現状を踏まえますと、農作業を請け負うコントラクター組織の意義は、生産性の向上や持続可能な地域での農畜産業の在り方にも大きな関わりが見いだされるわけであります。 これまでもコントラクター制度は、国としても、飼料生産受託システム確立、その推進が施されてまいりました。しかし、中山間地域においては課題も多いと捉えます。大型機械導入のためには、農地そのものの適正規模の在り方、農地面積の狭さと起伏、移動に伴う距離と時間は作業効率への課題も見受けられます。また、支援を受けるにも飼料収穫面積をクリアするためのハードルも高くなり、中山間地域でのコントラクターとしての運営の難しさを感じております。 耕畜連携の確立において重要な役割を担うのがコントラクター組織。農家等から農作業を請け合う組織であるとも捉えるが、中山間地域における持続的な体制づくりをどのように考えるのか伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 農業従事者の高齢化や担い手不足が深刻化する中、耕畜連携を進めるためには、農業者の負担軽減や機械等の投資の抑制につながるコントラクター組織が今後ますます重要な役割を担うものと認識をしております。 しかし、市内の現状は、個人間の農作業受託や農地の集約が進んでいるものの、農作業を専門的に担うコントラクター組織はなく、堆肥の施用を進めようにも散布する人手が足りないといった課題も把握しております。 市では、農業委員農地利用最適化推進委員が中心となり、5年後、10年後に地域が直面する課題を共有するとともに、堆肥など資源の有効活用による地域の特色ある農業を進めるために、どういったことに取り組んでいくべきかという話合いを進めております。 今後、持続可能な農業を推進するため、耕畜連携を始め様々な課題に対し、コントラクター組織のような専門組織の構築や体制づくりなど、関係機関と連携し、進めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) それでは、次の質問に参ります。 自分は、少子高齢化、過疎化が進む中山間地域で暮らしていくには、持続可能な地域であるために何が必要で、何が効果的で、何が残せるのか常々考えてまいりました。近年では鳥獣被害や豪雨災害など、それが重なり、耕作放棄地の増加も見られております。しかし、圃場整備や景観の保全などは継続的に行う必要がございます。また、人の手が足りない状況といったところも続いております。 これまで取り組まれてこられた事業と地域を見渡しますと、皆様の手で既にイノシシ等の防護柵で、圃場を含め、大きく囲われております。外から入れないということは、外へも出られないというようなことであります。だったら、繁殖農家の放牧場として耕作放棄地を活用していただくことも可能なのではないかと。繁殖農家にとって目の届く近隣での放牧も可能、飼養管理の省力化であったり、コスト削減といったメリット、地権者にとっては、草刈りと保全の手間や耕作放棄地への解消ともなります。地域においても、里山の効果が期待できることからも、鳥獣被害軽減といったことも図れ、様々なメリットもあるかと捉えます。 個人的な思いでございますが、里山に飛騨牛が悠然とたたずむような風景、スイスの景色といいますか、ハイジがいるようなそういった世界であるなというようなことで、映えるかなというようなことで、新たな高山市の観光スポットとしてもひとつPRになるのではないかと想像を膨らませておりました。 そこで、このようなコンセプトを持って取り組んでいる自治体はないのかと調べてみますと、山口県畜産振興課山口型放牧というものがございました。山口県でも少子高齢化の波、農業就業人口の平均年齢は70.3歳、全国2位と。その多くは中山間地域であります。山口型放牧マニュアルといったものを拝見いたしますと、ソーラーパネル式電気牧柵を使用し、繁殖農家から牛を貸し出すといったレンタカウ制度といったものも導入をし、誰でもでき、どこでもできる移動放牧システムを構築され、その効果も大変良好のようであります。 これは高山市においても不可能ではなく、既に土台の整った地域もあり、自給飼料の確立のみならず、耕作放棄地の改善、堆肥の利用と景観保全まで、過疎化が進む中山間地域の持続可能な姿、その仕組みづくりへの1つの挑戦でもあるのではないかというふうに感じております。まずは実証的なところからその取組の効果を検証していくことで、さらなる適地、地域への横展開といったところも可能かと感じます。自給飼料に立脚した資源循環型耕畜連携の新たな取組として、山口型放牧形式の実証的な試みは考えられないか伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 林農政部長。   〔農政部長林篤志君登壇〕 ◎農政部長(林篤志君) 自給飼料の地域内での確保は、最近の飼料高騰の対策の観点から大変重要な課題であると捉えております。 議員御提案の山口型放牧は、公営牧場の少ない山口県が畜産振興遊休農地の解消を図るため、転作田や遊休農地などに電気牧柵等を設置して牛の放牧を推進しており、県が業務として実施しているものです。 肉用牛経営の省力化や遊休農地の解消など、農地周辺の見通しがきれいになることで、イノシシなどの獣害を防ぐ効果があることも確認をされているようです。 しかしながら、当地域においても遊休農地を解消する1つの方法としては有効と考えますが、人里での放牧に当たり、牛が柵の外へ逃げないための対策や、初めて放牧する牛を事前に外の環境や電気牧柵に慣れさせること、放牧する牛が人に感染する病原菌を保菌していないことなど、様々な課題があります。 こうした課題を踏まえた上で、遊休農地の解消や自給飼料の向上のため、地域で主体的に取り組む意欲のあるところと、市も放牧に必要なノウハウを提供するなど、実証的な試みに対し、連携して取り組んでまいります。 ○議長(水門義昭君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 今回の質問につきましては、現在進行形の社会情勢といった視点から、中山間地域における自給飼料に立脚した部分、そしてまた、これからを見据えた高山市の農業と畜産、その形、そして資源循環型耕畜連携の可能性について、その提案も含め、質問を投げかけさせていただいた次第でございます。 冒頭に申し上げましたように、農は国の大本なり、これに目を覚ます。国づくりの本丸であります。この社会情勢が我々の望まない方向へとじわりじわりと傾いていくのであれば、ゆでガエルの比喩のように気づいた頃には手後れというようなこともあります。少しお話は飛躍いたしますが、たとえ仮に有事の世界となろうとも、それでも我々高山市民は御先祖様が守ってくれましたこの豊かな自然とその恵みとともに、そこに種をまき、今日より明日を思い描き、心穏やかに暮らせることは、魅力ある高山市、そして平和を望む高山市の姿でもあるかと思います。 今回の御答弁の内容、根幹の部分、そして、その方向性について確認をさせていただきました。前向きな御答弁をいただけたなというふうにも思っております。不確実性の時代でございますが、そういった歩みの中でございますが、未来への投資的な部分も捉え、何が必要で、何が効果的で、何が残せるのか、切れ目のない対応の中で、これからも農への挑戦、そして力強い農への形、高山市の本丸の1つとしてどうぞよろしくお願いをいたします。 それでは、次の項目に参ります。 DX推進に向けてということであります。国は2022年度末までにほぼ全国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標に掲げる中、普及に向けたポイント還元施策マイナポイント事業をスタートし、マイナンバーカード健康保険証公金受け取り口座の登録を行うと最大2万円のポイントが付与され、6月末日よりポイント申込みも開始されます。 ただ、5月中旬時点で発行枚数は5,611万枚、普及率は44.3%、健康保険登録は855万件、6.7%、公金受け取り口座登録は131万件、1%とされております。年度内、さらなる普及に向け、総務大臣は地方自治体に向けて集中的な周知広報やカードの発行を取り組むよう要請されたとも聞くところであります。 これを高山市に当てはめて考えたときに、今現在ならポイント付与されておりますが、現時点で高山市民としてその恩恵、伝わりにくくも感じております。1つ、メリットとしては各種証明書コンビニ等で取得できますよというようなことがあり、市街地での利便性は高いと思いますが、支所地域にはコンビニがない場合があり、休日や夜間に発行の必要な際はコンビニまで出向くこととなります。これまでも郵便局等各種証明書の発行、御協力もいただいてまいりましたが、今後はスマートフォンアプリの活用など、進展も待たれるところであります。 また、ひもづけされる部分においての対応の状況ですが、健康保険登録につきましては市内医療機関調剤薬局等でも対応が始まってきたと理解をして、そういった段階だと認識もしております。また、公金受け取り口座登録につきましては、口座をひもづけすることへの不安といったところ、一部、やはり根強い部分もあるかと思います。しかしながら、これまでコロナ禍の給付に対しまして、市の職員の皆様方が徹夜をしながら書類送付に尽力されたことを思いますと、仮に1つの口座を専用口座として御登録に対し、一定の御理解をいただければなというようなことも感じております。また、マイナンバーカードを発行された方でよく耳にしますのは、「作ったはいいんじゃけどな、まだ使ったこと、ないんやさ」というようなことであります。結果、国民の利便性が増すというマイナンバーカード制度施行の当初の表向きのメリットが実感として感じられていないのではないでしょうか。また、DX推進においては、誰一人も取り残さないの命題がある中、大変重要な意義と感じてはおりますが、ただ仮に、自らの判断において取り残っているのか、または真に取り残されてしまっているのか、その見極め、ここの切り分けを判断していかなければ早期にDX推進を目指し、充実したサービスの提供へとはなかなか進んでいかない、そういった現実があるのではないかと感じるところです。 高山市という特有の地形、市民生活の環境において、マイナンバーカードが便利で使ってみたいと市民がボトムアップで浸透していく。そんな周知広報の在り方やメリットを感じる施策も必要かとは思います。DX推進については、デジタル化インフラとなるのがマイナンバーカードの普及でもあるが、国は今年度末までにほぼ全国民にマイナンバーカードを行き渡らせることを目標と掲げる中、今年度末までに市内におけるマイナンバーカードの普及率、目標値と目標達成に向けた見通しを伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 橋本市民保健部長。   〔市民保健部長橋本宏君登壇〕
    市民保健部長(橋本宏君) マイナンバーカードについては、御発言のとおり、国では今年度末にはほとんどの国民にカードが行き渡ることを目指しておりまして、市としても同様にそこを目指しているところでございます。 令和4年5月末現在、高山市におけるマイナンバーカード交付率は47.2%、4万942枚で、全国の44.7%、岐阜県の42.2%を上回っており、県内では3位の交付率となっているところですが、年度末までに国が掲げる全国民に行き渡らせるという目標を達成するということについては厳しい状況というふうに思っているところでございます。 これまで市では、市民課にマイナンバー専用窓口を設置しまして、夜間や休日等にも申請、受け取りができるよう、受付時間を拡大するとともに、市役所の窓口だけではなく、本日も市内の商業施設でもやっておりますが、店舗や企業、新型コロナワクチン接種会場確定申告会場等へ出張いたしまして、マイナンバーカード申請サポートマイナポイントの申込み支援を実施するなど、マイナンバーカード取得の利便性を高め、取得促進を図っているというところでございます。 マイナンバーカード身分証明書になるとともに、御紹介のとおり、住民票などの各種証明書コンビニでの取得、それからオンラインでの確定申告、端末を設置した医療機関等での保険証利用、それからスマホアプリによる新型コロナワクチン接種証明書など、少しずつ利活用できる環境が国により整備されてきているところでございます。また、今年度末には、住所異動に当たり、マイナンバーカードを利用してスマホからでも転出手続が可能となる転出、転入手続のワンストップ化が全国で始まる予定でございまして、将来的には運転免許証との一体化など、マイナンバーカードのさらなる利用方法も検討されているところでございます。 また、6月30日からはマイナポイント事業第2弾の健康保険証利用登録公金受け取り口座登録に伴うポイント申込みが始まりまして、最大2万円分のマイナポイントが付与されるというところでございます。この機会を生かしながら、マイナンバーカードの利便性について市民の皆様に御理解いただきながら、1人でも多くの市民に取得していただけるよう、引き続き取組を進めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) DXに向けた視点からの質問でありました。本当に所管となる市民課、そしてまた、各支所、普及に向けて推進、尽力されていること、十分理解しておりますし、引き続きお願いをするといったところでもあろうかと思います。 ただ、マイナンバーカード、その普及率が5割に満たないという理由には、やはりデメリットに感じられる部分であったり、そして、現状の暮らしにおいて不便を感じる場面がほとんどないのではないかなというようなこともあろうかと思います。また、11日に配信されておりましたハイ、市役所のほう、確認しましたら、また、今後市としても90%以上の普及を目指すというようなこともありました。ただ、急がば回れというようなこともあります。今年度中といった部分にとらわれ過ぎずに、市民の皆様と理解を深めながら、また、マイナンバーカードといったものが市民の皆様方のお話の中、ひとつ話題となるような、そういった広報や取組など、普及に向けて推進していただければなといったことを思っております。 次の質問に参ります。 デジタルトランスフォーメーションの構築までをイメージしますと、マイナンバーカードの普及やベースレジストリの整備など、デジタル化へのインフラの基盤の部分であり、デジタイゼーションとして現コロナ禍においては、今まさに短期的に進めるべき施策であると捉えております。また、2025年の崖への対策として、すぐにでも次へのステップ、デジタライゼーションとなり、政府共通のクラウドサービスの利用、ガバメントクラウド上の様々なアプリケーションが構築され、その中から、各自治体に合ったアプリを選択し、基幹業務システムの構築を図ったり、また、対面原則とされるような業務部分での法改正なども併せて必須となります。 そこで、デジタル田園都市国家が目指す将来像についての参考資料がデジタル庁より示してあり、確認をいたしますと、各自治体での行政DXの事例、スマートシティが実現する未来として様々な事例がカタログとして紹介してありました。こういった先進事例を模範として構築を進めたり、システムに利用料を払いながら実用する自治体といったことも今後考えられるのではないかなと思っております。例として紹介、様々あったわけですが、まだまだ盛りだくさんの課題も控えているというふうに捉えるところです。 デジタルトランスフォーメーション、DXとされる道のりはまだまだ遠いというようなことも感じております。国としてのDXの歩み、その歩幅に合わせて自治体DXとしての一歩を踏み出していく、今はそんな立ち位置でもあるものかというふうに感じておりますが、高山市としてDXを捉えて、何をやるのか、どのように進めていくのかといった落とし込み方式、いわゆるウオーターフォール開発的な基本フローも大切ではありますが、DX専門若手職員、これがチームを組むわけでありますから、進化するテクノロジーとそこに伴う市民生活の変化、それに併せて小さな開発サイクルで柔軟な対応ができるアジャイル開発的な機能と、2つを使い分けたハイブリッドな開発感覚とデータに基づいたKPIの設定であったり、また、KGIとなる高山DX、その最終目標、この山の頂にどのルートで向かうのかであり、また、頂を目指す上で、その山の向こうには何が待っているのか。自分はそれがなくては山に興味が抱けませんし、登る理由といったところも少し確認したくもあります。 世界が、日本が、高山市がDXを推進することで高山市はどう変わるのか、この部分のグランドデザイン、高山市民としてDXがもたらす変化、近未来の高山市の姿、その夢、その創造、そして目標を共有したいと感じますが、DX推進で高山市はどう変わるのか、そのグランドデザインを伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) デジタルトランスフォーメーション、大変難しい課題であります。というのも、急激に進化を遂げている分野でありますので、今行っていることが、しばらくするともうそれは役に立たないような状況、これが現実ではないかなというふうに思っています。しかしながら、後ろ向きに捉えるのではなく前向きに捉えて、おっしゃる山の頂、それを目指す、そういう、我々も姿勢は持ち続けておりまして、御案内のように、本年の1月に高山市における推進計画というようなものをグランドデザインとしてつくらせていただいて、皆様に御協議いただいたところでございます。 柔らかい表現でこれを言い換えますと、やはりDXの推進によりまして、市民の皆様が高山市に住んでいてよかった、楽しい、あるいは幸せに感じていただけるような、そんなまちにしたい。そして、地域の産業や経済、コミュニティーが活性化して、元気があると感じていただけるようなまちをみんなで一緒につくりませんかというのがグランドデザインの柔らかい言い方であります。 そのために、まずは市役所の改革が必要なので、行かなくてもいい市役所、そして、書かなくてもいい市役所、そういうものをやはり実現していきたいよねと。さらには、デジタル機器の操作などが不得意な方、私も含めてですけど、そういう方に対して配慮する、人に優しいデジタル化。産業分野におけるデジタル技術の活用などによってイノベーション、そういう改革が進められて、そして人や産業がこの地域に集まってきて、デジタル人材の育成、そういうようなことにも非常にいい循環が生まれてくる、そんなまちづくり、人づくり、そんなことが高山市内でできるとこれからの次代、次の世代を担っていく人たちにとってある程度ここの地域を自分の力で変えていく、そういう、やはり希望の光を見いだせるのではないかなと、そういうことを考えております。いろいろ課題も多うございますけれども、市民の皆さんと一緒にそれに取り組んでいきたい。先に何が見えるのかが分かりませんけれども、それを着実に一歩一歩進めていきたいということであります。 ただ、1つだけ留意をしているのは、これはデジタルトランスフォーメーションの本旨でもありますけど、人を中心にして考えると、もう、このことだけは市民の皆さんと思いを共有して、積極的に取り組んでまいります。 ○議長(水門義昭君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 御答弁ありがとうございました。今回、あえてDX推進、高山市はどう変わるのかと質問を投げかけさせていただきましたのも、マイナンバーの普及についての質問でも触れましたように、分からないことや変化への不安が大きいからなかなか理解が得られない。これは市だけではなく、日本全国同様であるとも思っております。 誰一人取り残さない、この命題についても、自分の理解としましては、今おっしゃられたように、皆さんがデジタル機器を使いこなすことがDXの世界ではなくて、行政業務のバックヤードとしてデジタル化が進み、皆さんが知らず知らずのうちにその恩恵を享受している、今はそれでいいのではないかなというふうにも思っております。 今ほど、市長の御答弁の中に、柔らかい表現の中で目指す姿というお話をいただきました。誰一人も取り残されないためにおいても、とても大切で意義のある表現であるなというふうに思っております。より分かりやすく、市民の皆様と思いを共有し、積極的な取組を行うことも今後に御期待を申し上げまして、次の最後の質問とさせていただきます。 GAFAMとは、御存じのとおり世界IT企業の雄である5社を示し、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフトを示し、ITを軸としたプラットフォームビジネス、いわゆるサービスの提供者と顧客を結ぶサービスを主体としております。そして、社内上層部からしてコンピュータサイエンスのエンジニアであり、つくりたいシステムに合わせて組織を形成していくとも聞くところであります。また、日本企業の楽天では、英語を社内公用語にした次にはプログラミングを必須とし、競争力を求め、社員能力向上を図ったとも聞くところであります。 さて、DXといった山を登るには何を準備したらいいのでしょうか。今の自分であるならば、ITに対する知識も、技術も、スキルもないので確実に遭難いたします。特にエンジニアというところまでは思いませんが、初歩的にもプログラミング言語の習熟やITスキルの土台であるプログラミングの基礎を学んでおくことは重要なのではないかというふうに捉えております。 そこで、DXを推進する高山市において、プログラミング研修の在り方と効果、検討してみてはと感じております。対象となるのは市民であり、あらゆる職種、庁内、社内の階層の方々がプログラミング研修の対象者として基礎を学んだ後には、それぞれの視点でDXへのアプローチが生まれる。これは本当に一例でありますが、先行的に知識を得た市の職員には、大変お忙しいことは重々承知しておりますが、ぜひ講師となっていただいて御活躍いただく場の提供があるならば、他の市の職員はもとより、御興味をいただける市民が受講され、DXの意義や根幹といった部分への理解も進みますし、その最大の効果は新たなIT人材が誕生することでもあり、高山市にIT人材が増加することでGAFAMのような高山市のイノベーション、つくりたいまちを描き、そこに合わせたシステムの構築と伴う組織の形成も可能であり、将来的な展望としてはスーパーシティ高山市となることも夢ではないかと考えます。研修自体等のやり方、様々あると思いますが、ただ高山市に手頃にプログラミングを学べる環境があることはDX推進の土台づくりでもあります。 DX推進に向け、高山市でプログラミングを学べる環境を構築する考え、伺いたいと思います。 ○議長(水門義昭君) 荒城総務部長。   〔総務部長荒城民男君登壇〕 ◎総務部長(荒城民男君) 市役所や地域におけるDXを進める上では、その推進を担う人材の確保、育成が非常に重要であると考えております。 市役所内部におきましては、先ほど議員からも御紹介ありましたが、昨年度に引き続いて、若手職員を中心にDX推進部会を組織しまして、各種プログラミングを含む動画研修が定額で学び放題となるオンラインサービスを活用するなど、人材育成を進めているところでございます。 また、昨年度から、民間企業が主体となり、市の参加呼びかけなどを支援する中で、専門技術を学びたい飛騨地域の高校生を対象とした実践的なIT人材育成プログラムであるマクアイ・コード・ブーストといった取組も進められているところでございます。 市民が気軽にプログラミングを学べる環境整備を市が進めてはどうかという御提案でございますが、プログラミングについては、主立った言語だけでも10種類以上あるほか、現在も常に発展し続けている分野であり、基礎であっても非常に専門性が高く、高度な技術が求められる内容であると捉えています。 このため、まずは市民の方々に、DXに関する出前講座やフォーラムの開催などにより、関心の高まりや知識の習得を図り、デジタルに関する人々の裾野を広げつつ、民間事業者や大学などとの連携による比較的高度な取組も視野に入れながら、地域におけるデジタル人材の確保、育成ということを進めてまいります。 ○議長(水門義昭君) 石原議員。 ◆1番(石原正裕君) 1つの方向性として提案を含む質問をいたしましたのも、自身としてのデジタル化、その経験則の中で正直に申しますと、例えば電子通貨であります。世界最高の技術で製造された日本紙幣があり、そして、価値もしっかり位置づけられた信用創造の円がある日本国内において、ここまで電子通貨が普及してくるとは思っておりませんでした。自分が無知がゆえに取り残されたのかなと、スキルとしてアップデートも必要だったなというようなことを感じておりました。 新しいものを生み出す際や新しいものに触れる際、そこに触れるといった経験があること、そのきっかけがあることは大変大きな効果があるのではないかというふうにも思います。市がDX推進に当たり、多くの方がDXに触れる、その経験、そして、近未来の高山市、その姿、その夢、その目標を共有できる、そんな環境があることは高山市のDXに向けた目指す山の姿、そして、その先の希望であるのかもしれません。私からのエールとさせていただいて、私の一般質問を閉じます。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、石原議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 休憩します。     午前10時10分休憩  ――――――――○――――――――     午前10時20分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、笠原議員。   〔2番笠原等君登壇〕 ◆2番(笠原等君) おはようございます。 早速ですが、通告に基づきまして、2つの項目について質問します。 最初に、卸商業センター活性化についてです。 問屋町にある高山市公設地方卸売市場は昭和49年の完成から47年が経過し、老朽化しており、耐震にも問題があります。再整備の計画を打ち出されてから、ようやく令和4年度予算にて設計の費用が予算化され、具体的に整備が進められることとなりました。このことは市場関係者のみならず、問屋町周辺でも大変喜ばしく思っています。 今年度に設計、令和5年から6年にかけ整備が進められ、令和7年には完成し、供用を開始される予定と聞いています。その後、現在の卸売市場を解体し、その敷地に学校給食センターを建設するとのことです。現在の卸売市場の敷地には都市施設や特別用途地区などの土地利用の制限がかかっていますが、今後、これらの施設を整備する上で、都市計画の見直しはどのようなスケジュールで進められるか伺います。   〔2番笠原等君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 北村都市政策部長。   〔都市政策部長北村幸治君登壇〕 ◎都市政策部長(北村幸治君) 地方卸売市場と学校給食センターの整備スケジュールにつきましては、今ほど議員が申されたとおりの予定でございます。こうした中で、市場ですとか、給食センター計画地における建築に当たっては、現在の市場として決定されている都市施設の区域ですとか、特別用途地区について都市計画の変更を行う必要があることから、現在、市場の都市計画決定が行われた当時の経緯なども踏まえながら、それぞれの新しい施設の機能や役割から、必要な範囲の明確化に取り組んでいるところでございます。今後、関係機関、県などとの協議を進めまして、来年度の整備事業着手までに必要な都市計画変更の手続を行う予定でございます。 ○議長(水門義昭君) 笠原議員。 ◆2番(笠原等君) 既に変更の手続を進められており、今年度中には見直しが行われるということでした。 次の質問に入ります。 卸売市場に隣接する高山卸商業センターは、組織の設立から今年50周年を迎えます。商業団地として卸売市場や関係者を支え、飛騨地域の物流を支えてきました。しかしながら、交通事情や市内の産業構造、消費者のニーズなど、社会情勢とともに卸商業センターに求められる機能も大きく変化してきた結果、機能改善を含め、センター内の事業者もさま変わりしています。 このように変化をし続ける中、卸売市場と学校給食センターの整備を1つの起点として、問屋町全体の活性化につなげようとする動きも考えられます。民間活力による問屋町周辺のポテンシャルを生かし、卸商業センター全体を活性化していくためにも、土地利用の自由度を高める都市施設の変更や特別用途地区の変更なども考えなければならない時期に来ていると考えますが、市としての見解を伺います。 ○議長(水門義昭君) 北村都市政策部長。   〔都市政策部長北村幸治君登壇〕 ◎都市政策部長(北村幸治君) 卸商業センターを含む地方卸売市場周辺の土地利用の方針につきましては、県が定める高山都市計画区域マスタープランでは、高山流通センター周辺の特別用途地区については、沿道サービス施設などの利便の増進及び流通機能の増進を図るため、引き続き適正な土地利用の規制、誘導を図りますとなっております。また、高山市都市基本計画においては、問屋町の特別用途地区については、交通の利便性を生かした商工業、業務施設等の集積を促進し、適正な土地利用の規制、誘導を図りますと定めているところです。 このような上位計画の方針や現時点で問屋町における具体的な土地利用の計画がない状況であることから、土地利用規制の緩和のみを目的とした都市計画の変更は予定しておりません。しかしながら、昨今はインターネットの普及などにより卸売という業態が縮小してきているというようなこともございますので、現在の土地利用状況や今後の物流形態、卸売業を始めとした産業フレームの見通しなども勘案し、将来的な問屋町周辺の在り方について、用途地域や特別用途地区といった都市計画の見直しも含め、どのように土地利用の規制、誘導を図るべきかを考えていくことは必要であると捉えております。 こうしたことから、今後、関係者や関係機関の考えを伺うなど、議論を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 笠原議員。 ◆2番(笠原等君) 先ほど少し述べましたが、これまで約半世紀、卸売市場に併設する商業団地として機能してきました。商業や物流がその当時とは大きく変わり、さらには、コロナ禍を経てまたさらに変わっていくと思われます。都市計画の変更の議論も進めていただけるという答弁もいただきましたので、時間がかかるかもしれませんが、御検討していただきたいとお願いします。 先ほど触れましたが、卸商業センターは9月22日に50周年の記念式典を行います。長年、市政に携わってこられた國島市長には出席していただきたかったのですが、名残り惜しくも勇退されるということです。 次の質問に入ります。 問屋町周辺は高山インターチェンジに近く、交通の面では非常によい立地となっています。世界的にも電気自動車への移行が進められ、日本政府においても、2035年までに乗用車の新車販売で電気自動車100%を実現するという方針を定めています。現在の段階では電気自動車の普及はまだまだですが、自動車メーカーによる開発は加速的に進められています。これまで日本の産業を支えてきた自動車産業には国も威信をかけて関わってくることが予想され、今後、電気自動車や水素などを燃料とした燃料電池車、FCVなどの自動車が大きく普及していくと考えます。経済産業省は、2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略として、2030年までに急速充電器を今の4倍となる3万基を設置することなどのインフラ整備の具体的な戦略を打ち出されています。 電気自動車に乗っている方は、電池残量を確認し、スマートフォンやカーナビで充電ができる場所を検索し、次はどこで充電するか、現在の充電場所の空き状況などを調べ、計画し、走っていると聞いています。観光都市飛騨高山としては、今後の需要も捉えて、電気自動車のための充電スポットや水素ステーションなどのインフラを今以上に備えていく必要があると考えます。 令和2年に第八次総合計画を見直す前には流通拠点整備の構想がありましたが、今はその計画はなくなったようです。このような状況の中、問屋町周辺における交通交流拠点としての整備をいま一度考えるべきではないかと感じますが、市の見解をお伺いします。 ○議長(水門義昭君) 倉畑商工労働部長。   〔商工労働部長倉畑政之君登壇〕 ◎商工労働部長(倉畑政之君) 市では、過去に庁内の関係部署で組織する卸売市場・卸商業センター検討委員会におきまして検討を行っておりました。卸商業センターのエリアにおいて、市が事業主体となって、新たに道の駅に類似するような施設、具体的には各種情報発信でありますとか情報提供、また、休憩、物販等ができる拠点施設を整備する必要性は低いというふうに判断をしております。 一方で、議員おっしゃられるように、政府によるグリーン成長戦略が進められている中、電気自動車や水素自動車の利用客等の利便性を高めていくことは非常に重要なことであるというふうに考えております。 今後、民間事業者の皆様や庁内の関係部署との連携によりまして、市内におけるそういった利用客の利便性が高まる取組につきましては促進されるよう努めてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(水門義昭君) 笠原議員。 ◆2番(笠原等君) 仮に、今回の提案を実現しよう、実施に向けて動き出すとなっても様々なハードルがあるだろうと思っています。 現在、中部縦貫自動車道の高山インターから丹生川地域への延伸が進められ、さらに東に延伸していく予定となっているほか、東海北陸自動車道においては、富山県側で4車線化の動きもあります。コロナ禍において、JRやバスといった大型輸送ではなく自家用車利用の旅行が多くなり、この傾向は当面の間継続することが考えられます。今後、10年先、20年先、さらにその先を見据えたとき、今回質問した卸商業センターを始め、冬頭町から問屋町にかけてのエリアは高山インターから高山市街地に向かう玄関口として、また、交流拠点としてのポテンシャルは非常に高いと考えます。 民間の活力も十分に生かすことも想定し、様々な可能性について模索していくべきでは。また、市民も一緒になって考えることができる機会を創造していただきたいといったこともお願いして、次の項目の質問に入ります。 次の項目です。変わり始めた学校教育現場の今後についてです。 依然、市内の小中学校においてコロナウイルス感染者が出続け、学校の先生や職員の方々、通常のお仕事に加えて感染防止に細心の注意を払い、大変御苦労されていることに対しまして感謝申し上げます。 これまで、小学校の入学式は4月6日、中学校の入学式は4月7日と日にちを1日ずらして行われていました。しかしながら、今年度は安全に学校生活をスタートするためということで、小学校、中学校ともに4月9日とし、時間帯を午前と午後とに分け、1日で行われました。保護者の方には事情等を説明した上で変更を行ったように聞いていますが、なぜ小学校、中学校の入学式を1日で行ったのか。また、日にちを遅くして土曜日にしたのかなど、様々な声をお聞きしています。 まず、これまでも説明されてきたと思いますが、いま一度、入学式の日にちを変更し、小中学校同日にした理由を伺うとともに、今回、入学式の日にちの変更によって保護者や子どもたちからどのような反応があったのでしょうか。そして、教職員を始め、学校側にはどのような変化が生まれたのか、また、成果分析を踏まえ、次年度以降の対応はどのようにしていくのか伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 今年度より小中学校ともに入学式を4月9日に変更しました。理由としましては、児童生徒が安心・安全に学校生活を送ることができるように、新年度の学級準備と児童生徒の個別対応に十分な時間を確保することを目的としています。 市では4月4日に全ての教職員を対象に、いじめ防止アドバイザーによるいじめ防止や、専門医による食物アレルギー対応のオンライン研修を実施しました。5月30日に開催した市の食物アレルギー対応検討委員会の中で、保護者からは、全教職員によるアレルギーの研修を行ってもらい、安心して学校に行かせることができたという御意見をいただきました。また、各学校では、一人一人に対する前年度からの丁寧な引継ぎや新しい環境への個に応じた準備ができたと聞いております。 小中学校の入学式を同じ日、4月9日にした理由としましては、新年度の入学式までの準備期間、日数を小中学校ともに同様に確保することや、高等学校の入学式との重なりを避けたこと、また、年間の授業時数を確保するため、夏季休業等を短くするなどで調整をしたところです。保護者の方の中には小中学校両方の入学式に参加される方もみえるため、午後の小学校の入学式の開始時間にゆとりを持たせるなどの配慮を行いました。 来年度以降の入学式の日程につきましては、子どもたちが安心・安全に学校生活をスタートできるように、十分な準備をして新年度をスタートさせたいと考えておりまして、今年度同様、小中学校ともに入学式を4月9日に行いたいと考えています。 ○議長(水門義昭君) 笠原議員。 ◆2番(笠原等君) 今回の案件はよかった面もあるのでしょうが、不満の声もあるように思います。子どもたちや学校にとって一番よい選択をし、安心・安全に学校生活がスタートできたことはよかったことです。今後も子どもたちのための時代の流れに適した柔軟な考えで変わっていただくようお願いします。 次の質問に入ります。 地域の創意工夫を生かした特色ある学校づくりを目的として、令和2年から学校運営協議会を中核とし、コミュニティ・スクールの運営が開始されました。学校、家庭、地域が協働しながら子どもを育てる環境の向上を進めるとともに、よりよい地域づくりにも寄与する取組が行われていると聞いています。 設置から3年目となりますが、市内のコミュニティ・スクールでは具体的にどのような取組をされているのか。市内において、コミュニティ・スクールの成果をどのように分析しているのか伺います。 ○議長(水門義昭君) 田中教育委員会事務局長。   〔教育委員会事務局長田中裕君登壇〕 ◎教育委員会事務局長(田中裕君) 高山市では、これまでも郷土教育を中心に地域との連携を大切にしてきました。令和2年度より学校運営協議会を中核としたコミュニティ・スクールの運営が始まったことで、子どもたちがより一層、地域の方の願いや生き方、地域のよさに触れ、地域の方と共に活動する場が生まれました。 具体的な活動事例といたしましては、東山中学校区では、学校運営協議会の支援の下、郷土の未来を語る会を開催し、安心・安全なまちづくりをテーマとして、小中学生と地域の方が共に持続可能なまちづくりのために自分たちができることを意見交換したところです。 また、北稜中学校区では、ふるさとを愛する児童生徒の育成を目指し、地域の特徴でもあるすばらしい山々の魅力を語れる子どもたちになってほしいという願いの下、学校運営協議会が主体となって子どもたちと地域の方が一緒に登山を行う爽やか登山の体験活動を行っています。 コミュニティ・スクールの運営は、学校と地域との距離を縮め、地域の方の願いに触れた子どもたちが地域の幸せを願い、貢献活動を主体的に企画し、活動する姿も生まれており、大変うれしく感じています。 このような子どもたちの姿は地域の方の笑顔につながり、それがまた地域で子どもたちを育てていく大きな活力につながる相乗効果をもたらしていると受け止めています。 今後もコミュニティ・スクールとして地域の人々の生き方に触れる中で、郷土を愛する心と誇りを持って生きる子どもたちを育んでいきたいと考えています。 ○議長(水門義昭君) 笠原議員。 ◆2番(笠原等君) コミュニティ・スクールは、地域の方々と触れ合い、地域の歴史や文化を学ぶ機会を通じて郷土への愛着が育つものです。市民憲章にある、「こどもを愛し、健やかに育て、夢と誇りをもたせましょう」にも通じる取組と考えます。 ただいま紹介していただいた例にあるように、地域と学校の交流が進むことで、子どもたちを中心とした地域づくりなど、相乗効果が生まれると知りました。子どもの成長にはよりよい環境が大切であり、未来がある子どもたちのため、教育委員会、教育現場、保護者、地域の方々の認識が同じ方向を向き、一丸となって取り組んでいただきたいです。市内各地での様々な事例を学校間、地域間で共有しているとは思いますが、横展開をしていただきながら、さらに活発な取組になることを期待しています。 次の質問に入ります。 教職員の負担軽減、働き方改革については全国的にも大きな課題となっています。以前の全国規模の調査では、中学校の教員の6割ほどが月60時間以上の時間外勤務を行っている状況だったように覚えています。高山市内においても、教職員の皆さんの業務は日々多忙の上、また、コロナ禍の中、より労働環境は悪化しているようにも思います。 市においては、以前質問をさせていただきましたが、部活動指導員の導入や校務支援システムなど、教員の働き方改革が進められていますが、その現状と成果、また、今後どのような方向性で取り組んでいかれるのか伺います。 ○議長(水門義昭君) 中野谷教育長。   〔教育長中野谷康司君登壇〕 ◎教育長(中野谷康司君) 教職員の働き方改革への取組については、教職員が心身ともに健康な状態で教育活動に従事でき、子どもたちに向き合える環境を整えることが大切だと考えています。現在、高山市独自の小中学校業務改善プランを作成し、取り組んでいるのが現状です。その具体的な内容としては、教職員が健康管理の推進などのために年次休暇を積極的に取得することや、夏季休業、冬季休業期間の学校閉庁日の実施、校務支援システムを活用した業務の効率化、また、部活動の指導を交代制で行うなどに取り組んでいるのが現状でございます。 その成果としましては、令和3年度の1か月当たりの時間外勤務の平均を令和元年度と比べます。令和2年度はコロナの休校期間が長かったために、令和元年度と令和3年度を比べておりますが、小学校で3時間40分、中学校で約6時間程度減少している現状はございます。今後も教職員の長時間勤務の解消を進めてまいりたいと考えております。 そして、どのような方向性でということに関しましては、様々な活動の見直しの重要な視点は、やはり子どもにとっての視点を大切にしたいと考えております。それを基盤にしながら、なおかつ、持続可能な教育の在り方を考えるとともに、今後も働き方改革を進めていくことが大切だというふうに考えております。 時間を生み出すことで、子どもとじっくり話をする時間の確保や、より一層丁寧な教材研究を行うなど、指導や支援の充実を図り、子どもにとってを大切にした改革を今後も進めてまいりたいと考えております。 ○議長(水門義昭君) 笠原議員。 ◆2番(笠原等君) 働き方改革による先生の業務負担が減れば、時間の余裕ができ、子どもたちに向き合える時間も増えることは言われるとおりだと思います。教員の働き方改革の目的は、教職員の勤務の適正化、負担の軽減です。その結果として教員の資質向上につながったと考えます。そして、教員不足にならないよう、働き方改革を進め、子どもたちのためにも心にゆとりのある教職であってほしいと願います。 今回の一般質問では、学校教育の面から幾つか伺わさせていただきました。それぞれの取組には賛否両論あると思います。教職員の負担軽減ばかりを重視し、学校側の理屈で評価や検証しがちになってしまうのは仕方がない面もありますが、子ども、保護者、また、地域からなど多方面から多角的に捉え、物事を評価、分析して取組を進めていただくことをお願いし、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、笠原議員の質問を終わります。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 休憩します。     午前10時49分休憩  ――――――――○――――――――     午前11時00分再開 ○議長(水門義昭君) 休憩を解いて一般質問を続けます。  ―――――――――――――――― ○議長(水門義昭君) 次に、橋本議員。   〔20番橋本正彦君登壇〕 ◆20番(橋本正彦君) おはようございます。皆さん、最初に御挨拶されるものですから、こんにちはと言っていいのか、おはようかとお聞きしましたら、9時過ぎはおはようございますという挨拶をしろという議員から仰せがございましたので。 今日は、通告に基づきまして一般質問、市長にさせていただきます。 今回、私の一般質問は今定例会最後の一般質問でもあり、市長任期12年の最後の一般質問の御答弁をいただきます。任期12年、そしてその間、定例会、今回の6月議会を入れましても48回の定例会の一般質問に対し、議員各位の数多くの質問に御答弁をいただきました。時には大変苦しい御答弁もあったかと思いますし、また、なぜこのような質問をされるのかという、そのようなことも思いながら、また、苦慮しながら御答弁をいただいたことも多々あったのではないかと思っております。市長自らの事案、大変厳しい行政への指摘事案等も顔色一つ変えずといいますか、時にはかっとしたことは感じられましたけれども、副市長との連携よろしく、チームワークよろしく御答弁をいただきました。本当に長い間、御苦労さまでございました。 最後に、私と國島市長、同じ職場で飯を食った仲でございますが、このような立場で最後の質問をすること、高揚と言っていいのか分かりませんけれども、本当に感謝を込めて、私自身が聞きたいことを今日は一般質問させていただきたいと、そのように思っております。 今回、市長退任に当たりまして通告いたしました。市政のリーダーとしての12年間の思いと題しまして、幾つかお聞きはしたかったんですが、3点に絞り、質問をさせていただきます。今日、現在、退任表明をされて、早いものでもう2週間がたとうとしておりますし、任期も残り80日余りです。今現在の思いを、率直な思いで結構でございます。ぜひ御答弁をいただければと思っております。 最初に少し御紹介をさせていただきますが、市長は昭和48年4月に高山市役所へ奉職されました。副市長退職の間、37年間の市役所勤め、そして、市長に当選されまして12年間、合わせて49年余り、國島市長の今までの人生7割余りは市民の皆様のためにお力添えをいただいたことになるわけです。平成22年の9月、市長御就任以来、市政の沿革を調べてみますと数多くの事業を展開されております。特に私は行政改革が一番顕著ではなかったかなということを思っております。これを始めとして、國島カラー、特色ある事業の展開、公共施設の整備、改築、改良、都市基盤の整備、幾つもの橋りょうの新設、改良、特に、平成28年の豪雪、さらには平成30年、令和2年の7月豪雨災害、これらの対応と、そして、今まさにコロナの対応、インパクトの強い事業も数多く対応をいただきました。 ここで、市民の皆様に直結する行政改革、特に職員の皆様と一体となって行わなければならない行政改革の主なものを、一部ではございますが拾い出しましたので、一例を御紹介させていただきます。行政改革は、國島市長就任以来、翌年から早速行われております。つまり、平成23年には危機管理室、海外戦略室の設置、職員の海外派遣、さらには市民生活総合相談窓口の設置、24年には環境政策部の設置、学校図書館システムの導入、25年には市民参加条例の制定、26年にはジオパーク推進組織等の立ち上げ、27年にはブランド戦略課の設置、協働のまちづくりがこの年にスタートいたしております。29年には企画管理部の再編、大学連携センターも設立をされております。30年には基盤整備を建設と都市政策部に再編をされております。31年には林政部の設置、総括支所長の設置、そして令和3年にはプロモーション戦略部の設置と商工労働部の再編が行われております。3期12年、この間に、その時々に応じた改革を進められております。御説明いたしました行政改革を、見えるだけでも市長の積極性はうかがえます。 これらの改革に対し、この積極性についていかなければならない職員の皆さん、これも大変だったかなということを私は感じております。しかしながら、よい意味、関係職員は大きく成長もさせていただいたのではないかと思っております。私も5人の首長に仕えてまいりました。しかしながら、このような多くの組織改革、行政改革を進められた市長は多分初めてではないかと、そのように思っております。 任期中の通常業務以外の國島市長の特色ある主な事業、新たに取りかかった事業を拾い出してみますと、申し上げました行政改革をも含めますと、約90近くの事業が該当いたしました。これは私の勝手な拾い出しでございますので、それぞれの拾い出しによっては違うかもしれませんが、この12年間、初年度を除き、毎年平均して新規事業、8事業近くを展開されているのがみえます。市長が行った行政改革がよかったのか、各種事業の展開がよかったのかは、昨日の車戸議員の質問の中にもございましたけれども、行政が市民の皆さんに大変近くなったと感じられたと、そのような方もおみえではないかと思いますし、それぞれの議員各位、公務により受け止め方は違うと思いますけれども、今、市長のいろいろな事業をやっていただきましたことを我々議会が今すぐ評価するのではなく、今後、長きにわたり客観的にまたその時々、歴史により市民の皆様が評価をされることだと思っております。 いずれにいたしましても、12年間休むことなく、國島市長は走りっ放しではなかったかなということを感じております。また、走り続けていただきました。あわせて、職員の皆さんも職務とはいえ、大変御苦労もあったのではないかとお察し申し上げます。いずれにいたしましても、市民の皆様のために御尽力いただきましたことに、改めて敬意を表したいと思っております。 それでは、通告いたしました3点の質問に対しまして、市長の今の現在の思いをお聞かせいただきたいと思います。全て、ある意味柔らかい質問でございますので、ぜひ率直な思いをお聞かせいただければと、そのように思っております。 いろいろ申し上げました。市長はこの12年間、全力で走られた日々だったと思います。そこで、市民の皆様に、できたこと、できなかったこと、また、うまくいったこと、うまくいかなかったこと。市政運営上、様々なことがあったかと思っております。3回の選挙で幾つも掲げられましたマニフェストの項目、市長が取り組まれた様々な公の事業など、この場で総括をいただくつもりはございませんけれども、先般の記者会見で述べられました、市民にお約束した約130項目余りの公約について、おおむね果たすことができたと述べられております。言葉尻を取って申し訳ございませんが、おおむねとは、大体はできたが全てはできなかったとのことだと思います。12年間、この施策だけはやりたかったが、できなかったというような施策はあるのか。できたこと、できなかったこと、また、うまくいったこと、うまくいかなかったことなど、12年間、市政運営上、様々な御苦労はあったと思いますが、まずはお聞かせいただければと思います。あわせて、在任中において特に感慨深い、または強いインパクトとして思い出されるようなことがございましたら、幾つかまずはお聞かせをいただきたいと思います。   〔20番橋本正彦君質問席へ移動〕 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 行政実務の先輩であり、いつも背中を見て追い続けておりました橋本議員から評価をいただきましてありがたく感じているところでございます。 先日、議会初日におきまして、私より次期市長選挙には立候補しない旨の意向を示させていただいた折に、12年前に初当選していただいたときより以来、市民の皆様にお約束した公約についても検証させていただいたところ、おおむね果たすことができたと判断しているとお伝えさせていただいたところでございます。 平成22年の9月に初めて市長に就任させていただいてから今日に至る12年間において、1期目、2期目、そして3期目と掲げさせていただきました市民の皆様とのお約束、いわゆる公約については具体的な施策という形で反映をさせていただき、その実現に向けた個々の事業の進捗管理を行いながら取り組んできたところでございます。 今日に至る3期目の公約については、過去の2期を踏まえて新たに設定したものでございます。その進捗状況は、先ほど御紹介いただきました約130項目の取組を上げさせていただきまして、そのうち、約9割の項目につきましては実施をさせていただいております。残り1割においても、実現に向けた検討などの着手を行っているところでございます。 全てを完璧にできたとは言えませんでしたので、おおむねという言葉を使わせていただきました。景気回復を始めとして、大型公共施設の改築や長寿命化、並びに高規格道路網などのインフラ整備、市役所業務の改革など、困難な課題は山積みではございますけれども、国や県のお力添えをいただいて、それぞれ実現に向けた方向性、道筋はつけることができたのではないかなと考えているところでございます。 お約束した公約でうまくいったと満足できるものはなくて、これからさらに充実、進化させていかなきゃならない途中過程のものばかりと認識いたしているところでございます。 また、在任中で強いインパクトとしてというお尋ねでございます。これはやはり、平成23年に発生した東日本大震災と、2年前から日本を襲っている新型コロナウイルス感染症への対応、この2点でございます。いずれも、これまで私たちが経験したことのないことでございまして、従来続けてきた私たちの生活意識や様式を一変させたことは御承知のとおりでございます。東日本大震災では放射能という物質、それから新型コロナウイルス感染症ではウイルスという、ともに目に見えないものが人間に及ぼす影響の甚大さを身近に肌感覚で知り、その防御策、対応等については何ら知識を有していないにもかかわらず対応しなければならない、そういう決断を迫られました。まさしく手探り状態でのトライ・アンド・エラーを重ねながら施策を練ってきたという状況であります。 また、社会環境面では東日本大震災で環境や自然再生エネルギーが、そして、新型コロナでは非接触とデジタル化がにわかにクローズアップされまして、生活様式がともに大きく変化し、新たな対応を迫られての政策の見直し、変更にも苦慮したところでございます。特に、経済面において、高山市の経済やなりわいが観光による部分が大きいことから、2度の国難とも言える災害の影響で国内外からの観光客が大きく減少したことに伴う経済対策への対応に精いっぱい注力してきたことが、特に私自身の印象として強く残っているところでございます。 十分皆様方とのお約束を果たすことができなかったことにじくじたる思いもございますけれども、おおむね私といたしましては精力つぎ込ませていった結果というふうに考えておりますので、御理解賜ればありがたいところでございます。 ○議長(水門義昭君) 橋本議員。 ◆20番(橋本正彦君) ありがとうございました。 御答弁をいただきましたように、やはり、コロナの感染拡大、それによる対応、関連して、経済対策、観光施策、さらには大震災、異常気象、毎年と言っていいくらいの豪雨、豪雪、これらは大きく市政の歯車を狂わせた要因ではないかと、今御答弁をいただいたとおりだと、そのように思っております。 3期目の公約の130項目のことも言われました。9割は実施、あと1割についても検討に入っているということで、道筋、方向性は出ておりますよということでございます。今後、いろいろ確認をさせていただきますが、何はともあれ、御苦労さまでございました。 不出馬に関して、実は、関係者、市民の皆さんも大変残念に思ってみえる方もおみえだと思っています。一言だけ言わせていただきますが、3月議会で水門議員の出馬に関しての質問に対して、熟慮をしているという御答弁がありました。また、この2月には商工団体、各種団体からの出馬要請、そのような状況からしても、國島市長はもう一期頑張っていただけるのではないかと、そのような期待もお持ちだったのではないかと、そのように思っております。そして、国難とも言われる、また、災害とも言われるコロナ禍での退任、終息した後の社会は経済も含め、大切な時期を迎えます。これまでの価値観とは違い、新しい時代になると私は思っております。なぜ、このタイミングで退任されるのか、大変残念に思っております。また、不出馬の正式表明がなぜ今になったのか。本当に、今思っても大変残念に思っております。 市長の思い、また、お考え、また、体力上のこと、それらは聞かせていただきました。政治家として揺るぎない信念を持ち続けることは大変困難だという判断、政治家として、やはり一線を引かなければならない時期が必ず来るのかなということを感じております。しかしながら、まだまだ國島市長は十分に対応いただけるのではないかという、私自身はそう思っておりました。今さら申し上げましても仕方がないことですが、一言だけ私の胸にありますので、言わせていただきました。 さて、冒頭に申し上げましたように、たくさんの國島カラーの事業が今まさに展開されておりますし、動いております。市政に停滞は許されません。市長は将来に対して多くの種をまいていただきました。そして、幾つか申し上げましたが、高山市の国際観光都市としての存在感、また、飛騨のリーダーとしての高山市の存在感なども高めていただきました。ありがとうございました。 しかし、多くの種をまいていただきましたが、その種を花咲くようにするには次の市長に引き継がなければなりません。大変、次の市長に対しての申し上げにくい部分はあろうかと思いますが、質問に上げております、次の市長に期待したいこと、または望まれることがあればお聞かせいただきたいという質問内容でございます。多分市長は、次の市長は次の市長のお考えで行っていただければいいのではないかぐらいの答弁かとは思いますけれども、当然ですが、今申し上げましたように多くの種をまかれ、まだまだ花が咲いていない事案が多々あります。率直な思い、また、望まれることがあれば、少しで結構ですが、お聞かせいただければと思っております。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) 市長退任の思いにつきましては初日にお話をさせていただいたところでございますが、表明が遅くなったという1つ大きな原因の中には、実は、コロナ対策に対して全市を挙げて対応しているときに、私1人が今、戦線を離脱していいものかということについて少し悩んだ期間があったということで遅くなったということもございました。誠に、そのことにつきましては、いろいろな方に御迷惑をかけているということで、申し訳なく思っているところであります。 今、次の市長に期待したいこと、望むことについてのお尋ねでございます。先ほどおっしゃったとおりなんですけれども、市民の皆様の幸せを第一に願って、その実現のために、市政に対する強い思いや願いを持って立候補し、そして、その思いと願いが市民の皆さんに伝わっていって、そして、市民の皆様から選ばれる公職というのが市長であると思います。もちろん議員さんも同じであろうかというふうに思います。そのことから、私自身が次の市長がどうあってほしいかと期待するものではないと考えているところでございます。 市長は市政運営における様々な場面において、市民の皆様の命と財産を守り、社会情勢の著しい変化に伴う行政課題への対応など、最善の方向を選択して前進させ、発展させていくためのいわゆる判断が求められます。その最善となる正しい判断ができて、持続可能なまちづくりを目指す高山市政のかじ取りをしていただける市長が選ばれることを期待しているところでございます。 なお現在、総合計画等で示させていただいておりますが、目的を持って実施しようとする各種事業や、市が抱えている、今、課題等につきましてはしっかりと新しい市長に引継ぎを行うことといたしております。 ○議長(水門義昭君) 橋本議員。 ◆20番(橋本正彦君) 大変言いにくい、御答弁しにくい質問をさせていただきました。 今市長が言われましたように、正しい判断力と持続可能なまちづくりのかじ取りをというのは前々から市長も言われていたことだと思い出しました。ぜひ、そのような市長が生まれればいいかなということを感じております。大変難しい答弁の質問をして、お許しをいただきたいと思います。 さて、3つ目の質問、これが最後の質問でございますけれども、どのような質問をするかということで悩んだ1問でございます。この3問目の質問こそ、ぜひ、市長の思いを、率直な御意見を聞きたいなと私自身が胸につっかえているものでございますので、よろしくお願いをしたいと思っています。 私も市の職員でしたからよく分かりましたが、申し上げましたように、5人の市長に仕えさせていただきました。岩本市長から元仲、平田、日下部、土野という5人の市長に仕えさせていただきましたが、市長が替わるごとに市役所の内部の環境は大きく変わるものです。先ほど申し上げましたが、職員の皆さんも元気で活動的な市長についていくのが大変だったのではないかと感じております。それを感じていない職員もいるかと思いますが、やる気がある職員だったらそのような感じ方をしたのではないかと思っております。市長も元市職員とのこともあり、その点は当然、職員に対して気遣ってみえた点も多々あろうかと思います。今まさに退任を迎えられ、12年間無事に成し遂げられたのも、職員の皆様のお力、努力のおかげだと私は思っております。 特に私が残念なことは、市長の身近で側近として市長を支えられ、先日亡くなられました理事のことです。國島市政の切り札と感じておりました。そして、市長に大変重要な立場で御尽力いただく姿、間近で拝見をさせていただいております。大変残念で仕方がございませんが、そして同様に、12年間、市長の最も近い側近として支えられました西倉副市長。時代劇でいう大久保彦左衛門的な存在として、活動的な、また、トップセールスなどでじっとしていない市長。だからこそ、人一倍御苦労もあったのではないかと思っております。これは私の勝手な思いでございます。御苦労されている姿は目の当たりに、議会でも拝見させていただいております。 そこで、退任される9月までの間、議会でこのような場は今後ございません。市長の御挨拶があるのは、9月初めぐらいにもしかしたらあるかもしれませんが、職員の皆さん始め、亡くなられた理事、そして副市長に一言、今だから語れる感謝の気持ち等がもしございましたら、現在の思いがあればお聞かせいただければと思っております。大変、また難しい質問で申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。 ○議長(水門義昭君) 國島市長。   〔市長國島芳明君登壇〕 ◎市長(國島芳明君) さっき、12年の間、市民の皆様が夢と希望を持たれ、そして心豊かに暮らしていける持続可能な自立したまちをつくり上げるために、ここに出席していただいています西倉副市長、中野谷教育長を始め、各部長さん、そして、今も執務室で業務に当たっていただいている職員の皆さんと本当に心を一つにして市政を推進してこれた、非常にありがたいと思っているところでございます。 私が市民の皆様と約束させていただいた公約をおおむね果たすことができたのも、職員の皆さんの市民の負託に応えようとする高い志、そして粘り強い実行力、さらには法令遵守の高潔さがあってこそなし得たものでございまして、心から感謝をしている次第でございます。 特に近年は新型コロナウイルス感染症への対応や異常気象による災害対応など、スピード感と実効性を求められる業務が激増しておりますが、各部長が使命感を持って陣頭指揮を執り、市民の皆様の生命と財産を守るために職員総出で対応いただいていることに心強さを感じるとともに、頭の下がる思いでずっといるところでございます。 この12年の間には多くの同志である職員の方も退職されました。そして、温かく指導いただいた先輩や共に汗水流した同僚、さらには、後輩の中には残念ながらもう既に鬼籍に入られた方々もみえるわけであります。どなたも高山市の発展と市民の皆様の福利向上に献身的に取り組まれた方ばかりでございます。清水理事のお話もございました。まさかと思った次第でありますし、本当に片腕を取られたようなといいますか、非常に心に大きな穴が空いたという、残念至極な出来事でありました。こういう退職をされた方々、さらには既にお亡くなりになられた方々を含めてでありますけれども、御尽力いただいた職員の皆さん方、御功績に深く感謝をするとともに、その皆さん方が市政への熱い思いを持ってみえたことを、次を受け継いでいく市の職員の皆さんには引き継いでいただいてと強く思っている次第でございます。 西倉副市長についてのお尋ねでございますが、12年間、私のことを誰よりも理解して、市政の円滑な運営に尽力いただいております。日本一広い市政の副市長として大変気苦労があったのではないかと推察をしているところでございます。市民には様々な団体からのお声をきちっと市政に反映するための内部調整や膨大な委任事務など、私がいろいろなところで走り回っていた、そんな間を愼始敬終といいますか、本当に初めから最後までしっかりと実行していただいているということをこの12年間を振り返って改めて実感をし、感謝しているところでございます。あわせて、中野谷教育長にも、大変教育面ではしっかりとした課題が多かったんですけれども、頑張っていただいているということで感謝もしております。 最後に、私の任期も残り80日となりました。3期目がスタートしたとき、職員の皆さんに、市民の皆様方の願いを1つでも多くかなえられるような高山市にしようとお話をさせていただいたことを今思い出しております。そして、その思いは今でも変わりません。西倉副市長、中野谷教育長始め、現市役所職員と共に、任期中はその思いを共有しながら、しっかりと職責を全うしてまいる所存でございます。職員の皆さん、そして、市議会議員の皆様には改めて市政運営に御尽力を賜っていることに敬意と感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。 ○議長(水門義昭君) 橋本議員。 ◆20番(橋本正彦君) ありがとうございました。 最後の質問者になりましたが、大変答えにくい質問と、また、それに対する率直な御答弁をいただきましたことに感謝申し上げます。聞きにくい質問をお許しいただきたいと思っております。 今回、この時期にわたり、変則的に市長にのみの質問となりましたこと、お許しいただきたいと思います。本当にこの12年間、御苦労さまでございました。引退には迷いはないと言われておりましたが、少しばかり心残りはあると思っております。退任後、もう政治には関わらないとか言われておりますけれども、側面からも市政をぜひ見守っていただければと、そのように思っております。お話がございましたように、任期まで残り約80日余りでございます。この残りの80日、これは大変だと思います。また、大切だと思っております。ぜひ、この80日、國島市政を仕上げていただきたいと思っています。ありがとうございました。お礼を申し上げて、一般質問を終わります。 ○議長(水門義昭君) 以上をもって、橋本議員の質問を終わります。 以上で、一般質問を終結します。  ================ △閉議・散会 ○議長(水門義昭君) 以上をもちまして、本日の議事日程が全て終了しましたので、本日の会議を閉じ、散会します。     午前11時38分散会==================================== 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。         高山市議会 議長  水門義昭               議員  松林 彰               議員  車戸明良...